2016年06月09日
寺の会計
私が雲水の時は僧堂会計は副司(ふうす)に成れば自動的にやらなければならなかった。と言っても、主たるお金の出入りは托鉢金のみ、檀家も殆ど無く、その他の収入も殆ど無い会計は単純で、誰でも出来る程度だった。寺の会計とはそのものと認識してこの寺にやって来て、驚いた。まるで違う。資産管理や土地管理など専門家に依頼し、会計士さんに全て管理して貰っている。年一度は法類さんや総代さん全員に決算報告して了承を得る。その間の日々の出入りは私が直接会計簿に記入して、3ケ月に1回会計士さんに間違いが無いか点検して貰っている。ずっと三十年以上これをやってきて、近頃悩みが出てきた。先日もある銀行の預金通帳が見当たらない。困り果て部屋中探し回っても出てこない。大いに悩んだすえ、じ~と沈思黙考、此処は無用に慌てふためいても駄目だと観念し、部屋で坐禅を組んだ。物事は単純に考えた方が良いと思い、もう一度全てをひっくり返したら、何とごく当たり前の所からぽろっと出てきた。それから又悩んだ。老化!だ。悲しくなってきた。
投稿者 zuiryo : 2016年06月09日 09:58