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2016年07月17日

クロの人生

もう十年以上も前から野良猫「クロ」が隠寮辺に住み着いている。以前はつくばいの下に潜んで、小鳥が水浴びに来ると飛びかかり食っていた。だからクロを見つけ次第石を投げつけ追っ払っていた。ことに我が愛犬「ハチ」とは犬猿(猫)の仲、しかしいくら追っ払っても、余程隠寮辺の居心地が良いらしく、ずっと住み着いていた。やがて月日が経ちハチも亡くなり、ガクッと来ている心の隙を突くようにクロがしばしば近寄ってきた。改めて見ると、クロも存外可愛らしい顔をしている。それからキャットフードを買ってきて与えるようになり、背中を撫でてやると、益々可愛らしくなり、ついには飼い猫のようになってしまった。今では本人もすっかりその気になって、一番涼しいところに陣取ってどて~!と寝転んでいる。しかし最近は急に老化が進んで、黒が焦げ茶になった。顔もお婆さん顔になり、いかにも弱々しい。この調子では余り寿命も長くなさそうだ。よく考えると「クロ」の人生は波瀾万丈であった。せめて最後は「ああ幸せだったな~」とクロが思えるようにしてあげたいと思っている。

投稿者 zuiryo : 2016年07月17日 10:20

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