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2016年08月16日

師匠のお寺へ

京都で小僧をしていたときの師匠の生まれたところは、信州の曹洞宗のお寺である。現在は九十六歳になる実兄の息子さんが後をやっている。彼も一時私が修行していた道場に居たことがある。私にとっては初めての墓参りで、狭い道をくねくね曲がり、漸く到着した。裏は山に囲まれ、猪除けの電柵が張り巡らされていた。早速本堂でお経をあげ、裏の墓所で師匠の分骨されたお墓にも参った。丁度電動車椅子に乗って、先住さんが田圃から帰ってきた。花火が沢山あったので尋ねると、雀にお米が食べられてしまうので、パンパン花火を上げて追っ払ってきたという。足こそ弱られているが、しっかりした話しぶりで、長寿の家系の見本のような方である。新命和尚の奥さんはドイツ人で、この寺から車で三十分ほどの山奥に、禅堂を建てて主に外国人に禅の指導をしている。建物は全て古民家に手を入れて禅堂風に作り直し、これまでするには、相当ご苦労されただろうと感じた。多くの支援者にも恵まれ、間もなく本格的な建物も新築されるようである。その日もフランスから二人ほど女性が泊まり込みでやって来ていた。信州の山奥の片隅だが、こんな大きな構想で、これから禅を広めて行こうと考えている人が居ることに驚かされた。

投稿者 zuiryo : 2016年08月16日 15:11

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