2016年10月27日
宝鏡三昧
アップルの創業者スティーブ・ジョブズは曹洞宗の僧侶のついて禅を学んでいたそうだ。晩年カリフォルニヤ大学での講演の結びに、「stay haungry stay foolish」と言った。これは曹洞宗の宝鏡三昧の中の一節(愚の如く魯の如く只能く相続するを主中の主と名づく)である。愚か者のように間抜けのようにひたすら同じ事を続ける者こそ最高の悟りを得るものである。あのスティーブジョブズも究極の心の在り方を禅から学んでいたのである。日本でも京セラの創業者稲盛和夫氏も臨済宗の高僧について禅を学んでいた。これ程大きな影響力を持っている禅だが、日本では様々な宗教の中の一つ(その通りなのだが)と言う扱いで、特別な人を除いてはさほど注目されていない。だからどうだと言うのだと言われれば、それ以上返す言葉はないが、いまいち社会的影響力という点ではアッピールが足らないような気がする。カリスマ性を持った禅僧が居ないからとも言えるが、宗教でも成田山や浅草寺、川崎大師や柴又帝釈天などの方が余程影響力はある。別に競い合う必要もないが、禅の一語一語の深い味わいを感じ、それを日常の中の心の支えにして欲しいと思う。そのためには日頃から禅に親しんでいなくては駄目で、結局「坐禅を組む」ことが基本である。そう言う中から何か一語でも心に深く響く言葉を自分の護法身にすることである。
投稿者 zuiryo : 2016年10月27日 10:51