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2016年12月23日
冬夜(とうや)
臘八大接心も無事終わって、その日の夕方から冬夜がある。まず全員集合の茶礼(されい)があって、その後車座になって、所謂宴会が始まる。普段は食べられないようなお寿司やおでんやケーキやお菓子や蜜柑や林檎、さらにビール、お酒、ワイン等々、関係の和尚さん方が持ってきてくれるので、それらをお喋りしながら飲み食べる。ご馳走もさることながら、普段は僧堂独特の「単」でしばられ、上下差別の激しい道場での生活から一変して、和気藹々、この雰囲気がまた良いのである。私が雲水の頃は、人数も多く、時には乱に及ぶことも有ったが、これは上下の差別を取り去るというのを曲解した悪い例で、今では人少になり、そんな心配は無くなった。まっ、これも血の気の多い猛者がゴロゴロ居た頃の話である。飲みたい者は翌日朝まで飲んでいても良い。実際私の頃はそう言う奴もいた。今はそんなのは居らず、そこそこの時間には片付けて休む。翌朝は寝忘れだからゆっくりと寝ていられる。これもまた雲水にとっては夢のような心地良さなのである。しかも一日中休んでいられるのだから、昨日までのあの苦しみは何だったのかと思うほどである。
投稿者 zuiryo : 2016年12月23日 08:58