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2016年12月27日

ハエ叩き

家柄も良く知的好奇心も旺盛で、どこから見てもお嬢さま育ち、物腰あくまで上品な言葉使いながら、言いにくいことを容赦なくピシャリと言い当てる辛辣さゆえ、私は自分勝手に、その人のことを「蠅たたき」と渾名している。途中だが予めお断りしておいた方が良いと思うので言うが、以降何編かの徒然日記は、実は出典がある。余りに面白いので私一人楽しむのは勿体ないとご紹介させていただくものである。現代っ子は多分ハエ叩きその物を知らないだろうが、昔は到るところ家の中を蠅が飛び回っていた。「リボン」「シート」「ハエ叩き」はセットで、2,3日もすると、粘着リボン・シートには真っ黒になるほど蠅がくっつき、なおしぶとく生き残った蠅をハエ叩きで叩きつぶす。しかしいつの間にか日常生活から蠅が姿を消した。不衛生、うるさい、不潔の代名詞だったが、いざ居なくなってしまうと何だか寂しい。ところで蠅取り紙については、超一級の伝統的宴会芸がある。小道具は座布団2枚、ステテコ姿の者が2枚重ねの座布団をはえ取り紙に見立てて、ネバネバを懸命に開くところから演技が始まる。ここは芸の見せ所である。次ぎに演者は蠅になる。しばし宴会場を蠅になったつもりで飛び回り、フト蠅取り紙の甘い香りにフラフラ、警戒心と好奇心とのジレンマに身もだえしながらついに打ち勝てず、恐る恐る片足の先っぽで蠅取り紙に触れてみる。いや、やめた方が。ためらった末、エイヤッ!触れてしまった途端、足が離れない。ジタバタのたうちまわっりついに力尽き、バタッと息絶えるというところで迫真の演技は終わる。ところで彼女に付けた「ハエ叩き」というあだ名、実にドンピシャリだと我ながら納得しているのだが、それを言うならあなたの方は、大陸間弾道ミサイルじゃない。相手は二度と立ち直れないばかりか、壊滅だ!トホホホッ。

投稿者 zuiryo : 2016年12月27日 14:10

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