« 美女 | メイン | 謹賀新年 »

2016年12月31日

鉄のカーテン

チャーチルは第二次世界大戦後、ソ連傘下に組み入れられた東欧の社会主義諸国が西欧の資本主義諸国に対して極端な秘密主義を取った事は、一種の障壁だと皮肉るためにこの比喩を用いた。元の意味を探ってみると、何と正真正銘の「鉄のカーテン」があったのだ。18世紀ヨーロッパで、舞台から客席に火の手が広がるのを防ぐ目的で発明された。当時は蝋燭が照明に使われたためである。1780年末から90年初頭にかけてフランスのリヨン市の劇場で始めて設置されて以降、劇場建設に当たって設置するのが常識になった。これに平行して一連のヨーロッパ諸国の舞台用語に、続いて日常語に「鉄のカーテン」という言葉が入り込んでいった。言葉は一人前になると、比喩としても活躍し始める。「彼は心に鉄のカーテンを引いた」。次第に国や民族間の政治的、イデオロギー的断絶状態を表す言葉としてマスコミ用語の仲間入りしたのである。

投稿者 zuiryo : 2016年12月31日 08:23

コメント