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2017年03月14日

行脚

昨日ひょっこりと二十歳の娘が訪ねて来た。雲水の格好をしている。聞けば昔、尼僧堂にいた者の弟子で、岩手県を出立して、毎日托鉢をしているのだそうだ。昨日から近くの尼寺に住職している者の処へ厄介になっているという。クリクリの丸顔で、屈託無いのが良い。この娘の話では、以前、所持金810円を握って、44日間かかって岩手県から福岡県まで行脚したという。道中の乞食行の様子は、波瀾万丈、面白いと言っては失礼だが、お前よく生きて帰れたな~!と言ってやった。目の前のことだけ一点を見つめて、懸命に生きる姿は、禅に通ずる。この娘が本当に出家して、禅の道にうまく入れれば、きっと良い尼僧が出来上がるだろうな~と思った。この娘を世話をしている尼僧というのは、嘗てうちの尼僧堂で3年ほど修行した。しかし従来の仏教界には入らず、独自の生き方をしている。多くの困っている人たちのために手を差し伸べ、衆生済度の活動をしているのだ。地元からもその活動が認められ、様々な支援を受け、何と一度焼失した建物までも見事再建された。女の一念というが、世俗に埋もれている多くの俗僧の戒めとすべきである。

投稿者 zuiryo : 2017年03月14日 09:15

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