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2017年05月02日
口は禍の門
知らず知らず言い過ぎることがある。人から揚げ足を取られたり、笑われたりする。しかし如何に笑われようと、心にもないことは言わぬ。常に確信のあるところを口にしたつもりである。禍の門を恐れて一切口を閉じたら、その結果はどうだろうか。禍の方は防げるかも知れないが、福のほうは如何に招くべきか。もとより多弁は感心しないが、これによって福も来るのである。ちょっと口を開いたために、人の困難を救ってやることが出来たとか、或いは物事の調停をしてやったとか、全て口舌がなかったら、それらの福は来なかったと思う。全て口舌より得る利益である。口は禍の門であると同時に福の門でもある。「もの言えば唇寒し秋の風」というが、こういうふうに禍の方ばかり見ていては消極的になりすぎる。極端に言えばものを言うことができなくなる。ゆえに福の起こるところに向かって、言語を慎むことである。片言隻語といえども、決して妄りにせず、禍福の分かるるところを考えてするということは、何人も忘れてはならぬ心得である。
投稿者 zuiryo : 2017年05月02日 19:35