2017年10月05日
空気人形
私たちは空気からやってきた、と申し上げると、エエッ!どどっどう言うこと!ではこれからご説明いたします。さて、人口の増大は食料によって支えられてきた。トウモロコシ・小麦・コメなどである。では一体これらの作物は何からできているのか。ここからの話が重要なところなので、生命体の中で最も重要なのはタンパク質である。そもそも光合成反応を行うのは植物細胞内の膨大な酵素タンパク質であって、そのタンパク質を合成するためには窒素が必要となる。窒素はタンパク質だけでなく、DNAやRNAを作るためにも必須の元素なのである。さて窒素は空気中にある。空気の80%は窒素で出来ている。しかし動物も植物も窒素を直接栄養に変えることはできない。それができるのは、土壌中にある一握りの窒素固定菌という微生物である。これによって窒素を吸収して生命活動が維持されている。しかし人間は自然のサイクルで生ずる窒素だけでは到底足りない。そこで空気中の窒素を肥料に変換する発明がなされた。つまり化学反応によってアンモニアに変え植物が利用出来るようにした。要するに空気を肥料に変え、肥料は作物となり、作物は人間のタンパク源となった。つまり空気人間とは私たち自身のことに他ならないのである。
投稿者 zuiryo : 2017年10月05日 11:50