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2017年10月12日

岩瀬文庫

瑞龍寺では毎月1回、講師をお招きしてお話を聞く会を催している。厳密にいえば主催者はある方がやっておられるのだが・・・。講師の中で毎年1回お願いするS先生は名古屋大学の教授で、20年以上岩瀬文庫の解読に関わっておられ、その一部を講義してくださる。愛知県西尾市の実業家岩瀬弥助翁が私財を投げ打って凡そ8万点にも及ぶ膨大な古文書を収集保存、明治4年、私立図書館を設立、広く一般に公開している。イギリスBBCやネイチャー誌など、世界中から資料を求めコンタクトがある。ところでS先生の講義だが、原本は墨書が多く、しかも手紙文などでは達筆すぎて、我々ではほとんど読めない。それをいちいち解読し、その文面の背景を解説してくださる。これがなかなか面白く、その時代の考え方や時代背景が如実に表され、興味が尽きない。先日の話では、ほぼ解読し整理に目途がついたそうだ。S先生の場合は殆ど岩瀬文庫通いが日常だったそうなので、世の中にはそれぞれ専門分野があって、S先生のような学者もあるのだと知った。

投稿者 zuiryo : 2017年10月12日 23:20

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