2017年10月18日
ばあばの50年忌
自室の仏壇に師匠や僧堂時代にお世話になった尼僧さん、両親や兄弟のお位牌を祀っている。特に両親とばあばの正当命日には年1回だが献膳をして、懇ろにお経を読み供養する。10月7日がばあばの命日で、正面中央にお位牌を置き、お経を読みながらふと何回忌になるのかな~と、裏側の年号を見たら、なんと今年が50回忌だった。ばあばというが、祖母ではなく、母は商売で忙しく子供の面倒が見れないので、ばあやさんを住み込みで雇っていた。生まれた時からもっぱら我々子供の世話は、このばあばが母親代わりだった。このばあばは口やかましく、ビシバシと躾けるので、子供の敵だった。後年母から聞いた話だが、私は中でも一番手の焼ける子供だったそうで、ある時腹を立ててこのばあばに突進、体当たりして、肋骨2本折ってしまったそうだ。新潟の長岡市から田舎へかなり入った山奥の出身で、小学生の頃は夏休みばあばの里帰りに一緒に連れて行ってもらい、超田舎暮らしをした。晩年病気をして入院、私はその頃すでに僧堂で修行していたので、病気快癒を祈願して、お見舞いに行ったとき、般若心経を墨書してお経本にしてプレゼントした。これを大変喜んで、死ぬまで肩身離さず持っていたそうだ。最後は郷里で死にたいというので、延々長岡まで送ってゆき、最後は生まれ故郷で亡くなった。じ~とばあばのお位牌を見つめていたら、それからそれへと遥か昔の様々なことが思い出されて、涙がぽろぽろこぼれた。
投稿者 zuiryo : 2017年10月18日 19:21