2018年05月17日
会計簿
僧堂ではお金の計算は副司(ふうす)役の者が一切やる。夏・冬各制末に帳面を締めて老師に点検してもらう。正眼寺では、嘗て戦前は広大な田畑を所有していたので、小作農家の人達が季節ごとに参道入り口にある大きな蔵へ運び込み、それらを点検記帳する大事な役目があった。だから村の人達は副司を「お納所さん」と呼んでいた。しかし戦後農地解放ですべてを失い、途端に無収入の寺になってしまったが、ともかく寺の会計をすべて取り仕切るのが副司である。うちの場合は少々貸地があるので、実務的な事柄はすべて専門の業者がやってくれるので、その他法要などの収入と合わせて雲水の一番古手の者がやっていた。しかし特に土地に関わる事柄は、若い雲水には過剰な負担である。そこで此処十数年前からは私がすべてやっている。勿論専門の会計士さんにその都度点検してもらい、年度末には総代さん方に決算報告をし、了承印を貰っている。というわけで私に掛かってくる負担が相当大きい。まだ今より若いころは頭の回転も普通だったから良かったが、最近の寄る年波に勝てずほとほと参った。しかし代わってくれる者が居なければやらざるを得ない。もう目の前真っ暗だ!
投稿者 zuiryo : 2018年05月17日 20:53