2018年11月23日
諦める
人生50年と言われていたが、今では人生の前半に過ぎない。九十、いやひょっとすると、百歳まで生きなければならない。五十歳は人生の折り返し地点である。そのことをまず「諦める」ことが必要である。ここで言う諦めるとは、「明らかに究める」ことで、はっきりと現実を直視する。折に触れて、ああ、自分も歳をとったな~、と自覚することである。その自覚のさいたるものが、視力・聴力・反射神経、その他諸々の身体機能の衰えである。日常生活でちょっとした段差に躓いたり、不注意にコップを落としたり、物忘れが頻発するようになる。気持ちは現役なのに、身体の衰えをはっきり自覚せざるを得ない。ここで大事なのは自らの「老い」をきちんと認めることである。ともすれば老いたことから目をそらそうとする。「歳を取ることイコール悪」だと考える。老いは決して悪ではない。人生の下山期だからこそ、見えてくる心の景色がある。
投稿者 zuiryo : 2018年11月23日 20:36