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2020年04月26日

書道稽古

40年前頃、入寺して間もなくある方から墨蹟を依頼され、書いては見たものの余りの酷さに愕然とした。偶々総代さんのお婆さんが高名な書家に就いてお稽古をされていることが解り、その仲間に入れて貰い爾来40年間稽古を続けてきた。しかし先生も超高齢となり、引退したいという話し。これからは何でも自力でやらなければならなくなった。今までは何から何まで書に関しては先生の手ほどきを受けて、ひたすら真似をしてきた。書道の弟子とは徹底自己否定して、先生の書に寸分違わず真似て書くことに尽きる。いかに真似上手になるかが良い弟子の基準なのである。これでは本人の個性などないではないかと思われるだろうがその通り、書道に個性は無用なのである。さて41年目で孤児となった。これからおまえどうする?初めて師匠の束縛がなくなって自由になる。處が此処で問題なのは、既に私の目が師匠の目になってしまっていることである。鳥籠で長く飼われた小鳥は鳥籠を取り去っても、元の籠の範疇からは出られないというが、その通りである。暫く筆を断とうと思っている。

投稿者 zuiryo : 2020年04月26日 16:18

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