2020年10月24日
語録
高名な祖師方が残された語録が関係寺院の努力によって解説付きで出版される。大抵は何百年遠忌の記念に出版される。こう言うのは一つのパターンになっていて、頂くこちらは、恐縮この上ないのだが、語録類にはめっぽう弱い私などでは、大抵そのまま書庫に並べるだけで、これで勉強しようなんぞとは思わない。こんなことでは駄目なのだが、無学な私では歯がたたぬ。ご苦労されて出版した方々には甚だ申し訳ない。他人に責任転嫁するようで言いにくいのだが、私が仕えた二人の老師は、共に無学な人だった、この馬鹿野郎!とお叱りを被る話だが、およそ向学心なんぞはなく、もっぱら金集めに奔走される日々で、口を開けば金・金・金ばかりだった。禅の学問なんぞ俺の知ったことか!そういう人の元で修行してきた私だが、だからといって一緒になって金、金、金というかと思うと、そんなことはない。よく世間で聞く話だが、大酒飲みの父親を持った息子は決して酒は飲まない。そこまでは良いのだが、次ぎに語録や祖録に興味を持って一生懸命勉強するのかというとしない。これじゃ~猶悪い!一つも取り柄はない、大馬鹿者である。唯一私の取り柄は、馬鹿みたいに僧堂の規矩に従い、日々黙々と、やるべき事を続けること、この一事に尽きる。
投稿者 zuiryo : 2020年10月24日 14:42