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2021年04月19日
師家の資質
僧堂の師家というのは孤独なものだ。雲水なら同僚の者がいて、お互い励まし合い、頑張ると言う事がある。またその反対で、単が一つでも上なら嵩に掛かっていじめ抜かれることもある。いずれにしても緊張感を持って、そこで生き抜くために頑張る。しかし師家の場合は孤独である。雲水と違って、いじめ抜かれることは無いが、見えない敵と戦ってゆかなければならない。見えない敵?そりゃ一体何だね、と問われそうだが、数限りなくある。まっ、その中味は人によっても違うと思うが、日々試行錯誤しながら一歩一歩進めてゆく。そこで問題なのは師家の資質である。私が嘗てお目に掛かった人で、この方はそもそも師家になるべきでは無いな~と思ったことがある。何も師家になるばかりが能ではない。お坊さんとしていくらでも生き方はあるのだから。これは本人にとっても不幸なことであり、周囲の人たちにも大いに迷惑となる。自分を知って、そこから進むべき道を見つけてゆく、結局これに尽きる。
投稿者 zuiryo : 2021年04月19日 19:42