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2021年04月23日

改名

在家から出家した雲水の一人が、弁護士に依頼し改名が漸く成った。今日は弁護士さんのところへ行って正式に認められた書類を頂き、その足で郷里の役場に届け出て、そこで改名が完了となる。私も在家出身だったから、嘗て鎌倉で初めて寺の住職に為ったとき、法務局へ届出を出す際、僧名を戸籍名にする手続きをとった。調度知り合いの弁護士さんが居たので、万事お任せし、難なく改名出来た。一般的には、愈々僧堂掛搭と言うとき、戸籍名「保男」を僧堂雲水にふさわしい名前に改めるのだが、師匠は全く無頓着で、戸籍名「保男」のまま、僧堂掛搭した。まっ、僧堂は全て音読みだから、「ほなん」で、耳で聞いているうちは全く問題無い。しかし漢字を目で見ると、どう見ても「やすお」である。格好悪いったらありゃ~しない。こいつはどうせ僧堂修行なんか碌に続けられなくなって、直ぐに還俗するだろうから、俗名のままの方が良いと判断したのだろう。しかし、10年20年と修行を続けたので、良い意味で目論見は外れ、その後自分勝手に「男」の音読みの「なん」を生かして、「南」と改め、後にそれが私の戸籍名になった。考えようによっては師匠の親切とも言えるわけである。確かにうちの雲水でも、在家から出家して、立派な僧名を頂きながら、結果、たちまち還俗という例がいくらでもいる。所詮名前なんぞどうでも良いわけだ。本人がどれだけ修行を頑張ったか、其処が一番肝心なところだ。

投稿者 zuiryo : 2021年04月23日 09:17

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