2021年06月10日
墨跡
本当に久しぶりにある信者さんから頼まれて墨蹟を書くことになった。あまりにも久しぶりなので、筆は何処かへ仕舞い込み、探しまくって漸く出て来たような始末。取り敢えず墨をすらなくっちゃ、てな具合で、大わらわである。腕の方は如何に?と案じたが、こっちの方は昔取った杵柄で、直ぐ調子を思い出し,何とか格好がついた。矢張下手っぴ~わ否めず、まっ!こんなところで良しとするか!で妥協した。ある管長さんに伺ったことだが、ドドット,注文が錯綜してくると、毎日定時に墨蹟時間を設けて、書きまくるのだそうだ。これも重労働ですな~と、大いに同情申し上げた。こう言うのを余り苦にしない方もあるそうで、世の中いろいろだな~。もう40年前のことになるが、ある方から墨蹟を頼まれ書いたのだが,余りにも酷いので我ながら愕然とした。これじゃ~しょうがない、何とかしなくっちゃ、で、近所の書道家に弟子入りさせて貰い稽古を積むこと40年、近年、先生の老齢化で、稽古は終わり以降は自力となった。途端に書けなくなった。つまりお手本がないと自力では何も書けなくなってしまったのだ。愕然!ではあの40年間は何だったのか?つまり先生のお手本を忠実に写し取る技術が上達したに過ぎなかったのである。で、結局下手っぴ~に戻ってしまったが、まっ、これが私なのだと諦めて、今はそれで押し通すようになった。
投稿者 zuiryo : 2021年06月10日 12:04