2023年04月10日
老齢化
最近は老齢化で、一日無為に過ごす、何てことがしばしばある。遙か昔のことになるが、嘗て僧堂で仕えていた師匠は、毎日のように寸暇を惜しんで、何処かへ出掛けていた。山奥の道場で、鬱蒼とした森に囲まれ、こんな極楽は無いと思っていたので、不思議で仕方なかった。後年自分が師家になって、隠寮に籠もることが多くなってから、改めて当時のことを振りかえり、今なお、不思議だな~っと思う。人は性格も育った環境もいろいろだから、一概に善し悪しは言えないが、何だか小さい頃の抑圧を一気に取り返すような感じである。私は部屋から向いの山の鬱蒼とした緑を眺めているのが一番心癒やされる。人でごみごみしているところへわざわざ出掛けるなんて、真っ平である。単純に善し悪しは言えないが、人間は誰でも常に過去を背負って生きてるんだな~と思う。誰でもそうなのだろうが、老人になるとゴミゴミしたところより、シ~ンと静まりかえって、人っ子ひとり居ないところが一番癒やされる。
投稿者 zuiryo : 2023年04月10日 16:23