ところで食前には五観文(ごかんもん)といって食事の心構えを五ヶ条にしたものを唱えてから生飯(さば)″を取る。これは自分たちが頂く前にもろもろの生きとし生けるものに施しをする意味があり、うちでは集めておいて屋根に放り上げ小鳥たちの餌にしている。
食事の内容は朝は米と麦を半々の割合にしたお粥に沢庵二切れ、昼は米麦半々のご飯に味噌汁、沢庵二切れである。こんな食事では途端に栄養失調になって病気になるかといえばそんなことは決してなく、皆血色もよく丸々と太っている。近頃糖尿病の人が多いと聞くが、大体栄養を取りすぎるのだ。昔は腹八分に医者いらずと言ったが今は腹五分で十分だ。有り難く尊く頂く食事は命の源である。 |
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