一月十五日から臘八大接心が始まり、八日目の午前三時、暁天座の喚鐘が打ち鳴らされ、願心のある者は、最後とどめの室内に参ずる。所得のあった者なかった者、接了になれば、皆一様に安堵の胸を撫で下ろす。翌日は近鉢(近い地域へ托鉢)、二十四日晩開版から禅堂で恒例の冬至冬夜(本来は十二月一日から八日間、臘八大接心があって、その後に冬夜)が催される。
ざっくばらんな話、飲めや歌えの大騒ぎをするのである。ついさっきまで命懸けの坐禅修行をしていた同じ場所で、今度はどんちゃん騒ぎを繰り広げるというのだから、一般の方から見れば、何と奇態なことと思われるだろう。しかしこれが禅堂修行の良いところで、修行もどんちゃん騒ぎも、双方共に成り切ってやるので、大きく見れば修行なのである。把住放行、内に向かって徹底極め尽くし、反転して今度は外に向かって徹底的に放ち尽くすのである。 |
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