さてポールも私も共に何でもないような映画の一場面が人生を大きく変える転機となった。ここで思われるのは我々は自分で気が付かないうちに、人生如何に生くべきかの選択を心の奥深いところでじっと温めているのではないかということである。それが時節因縁に依って、あたかも枯れ枝がたった一本のマッチで一気に燃え上がるように大変革を遂げたのである。だから根気よくいつもじっと心 を見つめ続け、機が熟するのを待ことが何より大事なのである。