盲目的に無自覚に生きていては駄目だ。 周りを見渡して自分と比べ、今どさは大体こんな風だからこれで良し、といったような気持ちで安心していては精神はどんどん後退してしまうのである。道場の例で言えば今、大半が二、三年お茶を濁しただけで、さっさと帰って行ってしまう。良く考えてみよ。職人の世界でも、会社でも或は芸術でも、二、三年で良いなどというのは聞いたことが無い。それは周囲が厳しい目で見ていて、簡単なこ とでは許してくれないからだ。禅僧は”人天の大導師”という。人間界天上界の大指導者たる者、いい加減な修行でどうして相手にされようか。この魂の龍もった聖書は我々に向って宗教のあるべき本来の姿を問い掛けているのである。 |