昨今こういう身びいき症候群の若者ばかりが僧堂に入ってくる。これには困ったことで何とか色々やってみるのだがなかなか思うようにはいかない。結局は最初にはっきりと修行に対する正しい考え方を持ってこの道に入らなければ、せっかくの修行も何ら生きてこないということである。
世間は何時も勝つか負けるか、お互いしのぎを削る競争社会である。大人の場合は仕方がないとしても、これから色々な可能性を持っている子供達にまで結果ばかりを追い掛けて、そこに至る努力の過程を殆ど評価しないのは間違いではないかと思う。長者長法身、短者短法身という禅語がある。一人一人が与えられた命を一生懸命生きる姿が何よりも尊いのである。 |