ゴリラの研究を続けている山極寿一という学者さんが、大変興味ある話を本に書いているので、それをご紹介させて頂く。山極さんは二十六歳から六十歳になる今日まで、彼らが住むアフリカのジャングルにせっせと通い、ぞっこんゴリラにほれこんでしまった。研究を進めてゆくうちに、ゴリラがいかに穏やかで平和な動物なのか、また同時にゴリラを通してヒトという動物についても思うところが出てきた。そもそも霊長類という学問では、ヒトという動物はゴリラやチンパンジーなどの類人猿と同じ霊長目という種類に分類される。さらにゴリラと同様、アフリカ大陸の熱帯雨林で誕生したと云われている。ゴリラと人間は同じ根っこから生まれたのである。ゴリラを鏡にすることによって、ヒトとはいったいどんな動物なのかが見えてくる。
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