東京国立博物館で国宝興福寺仏頭展が催された。以前も興福寺展で阿修羅ブームというか、あの童顔の像がまるでアイドル並みの人気となり、長蛇の列だった。どういう訳か、美しい仏像に目がない女性が多い。モデルで活躍されているはなさんも、仏像大好き人間と聞いたが、生々しい人間より、崇高な美を感ずるのかもしれない。これも仏教への入り口の一つだから、それを切っ掛けに、より深い精神世界に分け入って欲しいものだと思う。私も気の向いたときにはちょくちょく奈良へお気に入りの仏像を拝顔に出掛ける。
あの阿修羅像も興福寺国宝館に行けば、ほぼ無人の館内でゆったり拝することが出来る。個人的には真冬の人っ子一人居ない室生寺の金堂に祀られている十一面観音菩薩立像の前で、じっと佇むのが好きだ。このような次第で、それぞれお好みの仏さんにお目に掛かって心癒やされればそれで充分なのだが、仏像によっては深い歴史を物語るものもあり、その経緯(いきさつ)を知ると仏像の味わいも違ってくる。そんな興味深い文章に出会したので、引用させて頂く。
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