うちの雲水で、睡眠時無呼吸症と診断され、寝るときには特殊な機械を装着している者が居る。そこで自分の睡眠中はどうなのか気になりだし、一週間録音をしてみた。その結果、数回十秒程度呼吸が止まっていることを発見した。まあこれくらいならたいしたことはあるまいと思ったが、やはり専門の医者に診て貰った方が安心だろうと思い出掛けた。一晩入院、体中にセンサーを取り付け調べた結果、超重症無呼吸症と分かった。何と四時間半の間に呼吸が止まること三百六十五回、その中で一番長いのが一分四秒であった。そんなに呼吸が長く止まっていて死ぬことはないのか尋ねると、「それは全く心配はありません。脳が反応して血液に強制的に酸素を送ります。しかし睡眠の質が悪いので日中いつも眠気があったり、血管の内壁がはがれて脳卒中になりやすく、その他高血圧や肥満など二次的病気が心配になります」。と言う診断であった。爾来ずっと寝るときは強制的に気道を広げる機械を装着している。そんなことがあって以来、睡眠中の人間の脳は一体どういう働きをするものなのか気になりだし、睡眠と脳の専門家の本を読んだ。
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