さて最後に生飯(さば・七粒ほどご飯をつまんで手のひらの上で三辺ほど空じて飯台の端に置く)を餓鬼に供え、看頭(かんとう)の柝一声を合図に食事が始まる。飯台座・浴室・坐禅 堂は三黙堂と呼ばれ特に静寂を要求される。粥をすする音、沢庵を噛む音、箸やお碗を置くときの音、これらは全て禁物である。こうした厳粛な雰囲気の中で進められる。食事の最後は注がれた一杯のお茶で、使ったお碗は手でごしごしと洗い、そのお茶を飲み干し、布巾で拭い元通りにしまう。このように厳格な作法、最低限の食生活のなかに最高の感謝を込めて行われる 飯台座に僧堂修行の真髄が窺えるのである。
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