粥座に就いて、天井の映るようなしゃびしゃびのお粥を食べ終わると、禅堂に戻り、直ぐに茶礼が始まる。待ち構えていた聖侍(しょうじ)役の者が大きな声で「茶礼!」と言う。先ずは文殊菩薩にお茶が供えられ、その後次々に直日(じきじつ・禅堂内の指導者)からお茶が注がれる。この時に使う各自の湯呑みは普通のものより大きめで、丁度お寿司屋さんの上がりを入 れる湯呑みの大きさである。何故かというと禅堂内は薄暗くて大きくないと扱い難いということ。又、臘八大接心(ろうはつおおぜっしん・ 八日間堂内に寵もって不眠不休の修行をする。)の時にはこの茶碗で甘粥(かんしゅく・甘酒のこと)を頂くなど、単にお茶を飲むだけの用ではないので、昔から茶礼茶碗は大きくなければいけないと言われている。 |
|