起床の合図がかかり飛び起きてから朝課・堂内諷経・梅湯茶礼と息付く間もなく次々に行事があって漸く坐禅を組み、約一時間後カーンカー
ンと独参″の喚鐘の音が境内に響き渡る。その音を聞くや否や堂内で坐っていた者達は一斉に脱兎の如く走りだす。これぞ修行生活の眼目、参禅入室である。それまでの威儀肅々とした態度は一変し、この激しい動きに始めての者は度
胆を抜かれる。
これは臨濟宗独特の修行法で、道場に入門すると間も無く老師から一人一人に公案≠ェ与えられる。朝と晩に一回づつ必ず老師の部屋に入り、その答え、つまり見解(けんげ)を呈する。 |
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