一に掃除、二に坐禅、三に看経というように掃除は僧堂での修行上最も大切なものである。朝の勤行、坐禅、喚鐘などの諸行事が終わるといっせいに雑巾掛けが始まる。特に僧堂は板の間や廊下が多いので各自持ち場がきめられており、ともかく時間内に終わらせなければならない。新参のうちはつい世間の癖が出て、呑気にやっていようものなら途端に先輩から、「何をもたもたしているんだ!成り切ってやれ!」と罵声が飛ぶ。多少粗雑でもそんなことはあまり
問われず、ともかく勢い良くてきぱきとやるのが一番だ。また日によっては午前中に講座があるので、その前にあらかじめ講本の下見をするのだが、それが終わるとすぐに日転掃除である。 |
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