打つたびに木屑がぼろぼろと落ち、木板の下はゴミの山になる。古来、打ち続けて遂に貫通したら目が開いたという理由で、終日休息になると聞いたこ
とがある。だからかたきのように力を込めて打つのだが、ぼつぼつ穴が空く頃かな〜などと思っていると、大抵知らぬ間に新調されてしまう。
また木板の表面には「生死事大、無常迅速、光陰可惜(こういんおしむぺし)、時不待人(時ひとをまたず)、」と墨書されている。木板を聞きながら修行は一刻の猶予も成らないことを実感し、更に精彩を付けて奮闘努力するのである。、つまりこの木板の音は単に時を知らせるためだけのものではなく、油断するな!という警告音でもあり、矢のように通り過ぎる時間を改めて思い起こさせるものなのである。
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