僧堂では朝晩決まった時間に、必ず参禅があることは、既に申し上げたと思うが、総参(そうさん)の時は、文字通り全ての雲水が必ず参禅しなければならない。大接心(おおぜつしん)の初日の晩参と接了の最後の参禅が総参となる。大接心初日、これからいよいよ一週間の厳しい修行が始まるという緊張感で一杯の中、晩開板の木版(もっぱん)がコンコンと打たれ、チャキッチャキッと析(たく)が打たれる。次にチヤキッ、チ〜ンと引馨(いんきん)が細く長く鳴り響くと、喚鐘場で知客(しかっ)さんが鐘をゆっくりと間を開けながら七・五と打ち鳴らす。およそ最初の七声が打ち終わるころ、堂内では侍者(じしゃっ)さんが大きな声で、「そ〜さん!じきじったん!」と言う。この声を聞いたら直日(じきじつ)を先頭に直日単全員が一斉に単を降りて雁行しながら喚鐘場へ向かう。この時だけは喚鐘の鐘は一声で然も打つのは知客さんである。前の者の参禅が終わって奥の方からチリンチリンと振鈴が聞こえるとカ〜ンと鳴り、深々と低頭し間訊(もんじん)の後、老漢が待ち構える参禅室に向かうのである。問答が終わり引き上げてきたとき、喚鐘に向かって正座し低頭する。この様に順次参禅が行われ、直日単がそろそろ終わるころに、堂内では侍者さんが再び大きな声で、「たんと〜たん!」と言う。今度は単頭単の者が一斉に単を降り雁行しながら喚鐘場に向かう。
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