制間になり授業寺から暫暇書が知客寮にだされると、期間中(二月一日〜三月十四日)・(八月一日〜九月十四日)の間、僧堂を出て暫く授業寺の手伝いに帰ることができる。期間はその時々全体の人数・寮舎などで変わり、最大でも二週間、新人の場合は、一週間が限度である。遠方の者の場合は、行ったり来たりの日にちを入れると本当にゆっくり出来るのは数日と言うことになる。小僧の場合は授業寺に帰ると、朝の勤行・庭掃除・粥座の支度等々、息つく暇もないのだが、又違った雰囲気で、縛りから解放され、良い気分転換になった。尤も現在は雲水の大半が寺の息子で、師匠は父親というのが多いので、この場合の暫暇は、殆ど学生の休暇と同じで、羽を伸ばしてリラックス、多分ゴロゴロしているのだろうと察する。
私も制間には暫暇をしたが、たった1人きりの小僧だったから、こうも忙しいのでは却って僧堂で決まった役目で、決まった仕事だけをしている方が楽ちんだなあ〜と思ったが、いつも高単から睨まれ監視されている僧堂に較べれば、どんなにほっとしたか知れない。とくに大変厳しい寮頭の下で仕えている場合は、この開放感は何にも代えがたかった。暫暇で英気を養い、パワーをつけて再び僧堂に戻り頑張ったものである。 |
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